「生命保険のカラクリ」感想。自分の恥をさらすのも何ですが、今から保険やり直します。

「生命保険のカラクリ」(岩瀬大輔著)を読みました。
岩瀬大輔さんのtwitterこちら

最近長女が誕生して、半年前くらいに家も建てたので、これを機会に保険の見直しをしよう、ということになり、来店型の保険代理店(保険ひろば)に行って来ました。
そこで、いろいろとsimulationを行ってもらい、プランを作ってもらったので、これでいいのかどうか確認するために、この本を購入して勉強して確認したわけです。


大変勉強になったし、その考え方にとても共感した。
まずp14の出口社長の新しい生命保険会社を立ち上げる社会的意義

「共助」を担うのが、民間の保険会社の役割である。にもかかわらず、生命保険会社は保険金の不払い問題に代表されるように、消費者の信頼を失っており、本来の役割を十分に果たせていない。だからこそ、共助の仕組みをいま一度蘇らせることが必要だ。
生命保険をもっとも必要とするのは子育て中の若い世代だ。しかし、彼らが払っている保険料はあまりに高い。
保険料を半額にすることで、安心して赤ちゃんを産める社会をつくりたい。

という使命感が素晴らしい。


私自身、いま加入している生命保険会社にはちょっとした嫌な思いをした。
長男が誕生した2008年の夏に、学資保険に入ろうと思い、いろいろ調べたらS生命が元本割れしなくてよい、という情報に当たり、男性営業マンに来てもらって話をした。
で、2・3回話をして学資保険と自分の生命保険・医療保険・妻の生命保険を契約することになったのだが、この時点で当初の学資保険はS生命で、その他は他の保険会社の話を聞いてから、というところから脱線していた。
後から考えると分かることですが、うまく誘導されていたのですね。
さらによく分からない変動型の積立にも入らされてしまい(これは年に37万円ちょっとを一括で払うというもの)、後で妻が変動型だし「安心」できないからやっぱり嫌だ、ということで1年で解約。37万円は当然返ってきませんでした。
この本のp228に次のような記述がある。

あなたは百戦錬磨の生保営業マンと対峙して、自分が必要な情報だけを、中立公平な商品説明を引き出すことができるだろうか?


できませんでした。

2008年には。
私は勉強不足だった。で、わけの分からない資産運用計画表を作成されて、「今の時期にお金を貯める必要がある」、と強く押され内容をよく把握しないまま契約してしまった。生命保険についても、医療保険についてもそうです。
2008年時点でこの本が出ていたり、今みたいな来店型の保険代理店やネット生保が出ていれば、もっと別の選択もできたのではないか、とちょっと後悔している。


ここからちょっとした愚痴に入ります。
読み飛ばしてもらって結構です(笑)

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また今の担当営業マンが信用できないのは、家を建てて住所を変更したことを伝えたときに、生命保険の見直しをアドバイスしてこなかったことにもある。
これは生保としては保険料が下がるので、(自社に不利なことはできないので)当然かも知れないが、団信(団体信用生命保険)に入ると、生命保険を見なすというのは常識なので、(半年間ほったらかしにしてましたが)、そこでアドバイスがもらえなかったのは、とても残念。
電話で住所変更の連絡した時に、たぶん言ってこないだろうな、とは思っていましたが。
もし、ここで「団信に入ったのなら保険見直しますか?」との一言があれば、この後の保険見直しでも検討する内容が少しは変わったかもしれない。
消費者の立場に立ってない、と思う。
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(愚痴終わり)

しかし、今からでも遅くないので、しっかり「保証」と「貯蓄」を分けて考え、自分たち家族にあった保険を選び直そうと思う。
(p192からの「保険にかしこく入るための七ヶ条」がとても役に立ちます。)

僕の結論は、僕と奥さんの「定期保険」(生命保険と医療保険)を見直し(解約して別の生保へ乗り換え)、長男の学資保険はそのまま(解約返戻金と今からの貯蓄を考えたら不利になるので。これはp198の「解約したら損とは限らない」が役に立ちます)で、長女の学資保険は積立貯金で行う。

まずは奥さんにこの本を読んでもらって、ネット生保に対するアレルギーをとってもらう必要があるけど(奥さんは近くに代理店があったり、支店があったりする方が「安心」といってネット金融なども利用しないのであった。とほほ)


またこの本はどうやって知ったかというと、
以前からファンである「Chikirinの日記」に保険に関するエントリーが載っていて、ライフネット生命について調べたり、twitterで岩瀬さんをフォローしたりして知ったのです。

ほんと複雑怪奇な生命保険について、とてもシンプルで分かりやすく解説されている良書です!
だた分かりやすいというだけでなく、新規参入してこの業界に風穴を開け、革新して正常化(という言い方が正しいかどうか怪しいですが)していこう!、という情熱と使命感が素晴らしい。

なるほど、そうだ!と思った箇所はたくさんあるけど、
例えばp77の「かけ捨ては損ではない」という箇所。

この箇所を読んで、「かけ捨て」は自分の事だけを考えているから、「損」をしたというイメージしか湧かないのであって、「誰かのために役に立っているお金」と考えれば、決して「お金を捨てた」という考えは浮かんでこないと思う。
保険はもともと、「みんなの助け合い」の精神から産まれたもの。
「みんなで助け合う」という概念が浸透してないから、「かけ捨て」のイメージが悪いのだと思う。
残念なことです。


その他にも、生命保険の歴史や現状、他国との比較など資料がふんだんにあって、とても勉強になります。
生命保険の見直しを考えている人は、必読の本です!
ぜひ読んでもらいたい。


最後に、保険について考える中で、自分の健康と計画的な貯蓄というのが必要だと痛感した。家族のために、健康と貯蓄を見直そうと思う。


その他の、この本に関するブログ

※しかし、家族を持たないと保険について何て全く考えなかったと思う。昔は相互扶助なんて糞くらえだ!という「麻雀放浪記」の坊や哲みたいな生き方してたので(笑)
そういった意味でも、奥さんと二人の子どもに感謝しています!