特発性血小板減少性紫斑病とRSウイルス感染症の併発。2歳の息子が難病になったら、親なら誰だって動揺する。クリスマスには家族4人で一緒に過ごしたい。

息子が特発性血小板減少性紫斑病RSウイルス感染症にかかっている。
娘も、RSウイルス感染症にかかっている。


月曜日(12月6日)の朝、息子(2歳)と娘(0歳)の咳が酷いのでかかりつけの病院に行く。
裸になって診察していたら、息子の体中に大きさと濃淡の違う紫色の斑点がたくさん見つかった。
先生が、慌てた様子で、すぐに紹介状を書くので、総合病院で血液検査を受けて下さい、と。


娘を長い診察に付き合わせると風邪がこじれる可能性が高いので、僕が娘を家で見て、奥さんが息子の検査に付きそう。
娘にミルクをあげたり、おむつを替えたりしながら、じりじりと気持ちが焦るが、電話がなかなかかかってこない。


2時間後、電話がかかる。
奥さんが泣きながら、今から入院します。血小板の値が低いので、血液製剤を打たないといけないって。


お祖父ちゃんお祖母ちゃんが実家から家に来るまでの1時間半の間、入院の準備と娘を奥さんの実家に預ける準備をする。
娘もあとで検査して分かったのだが、この時点ですでにRSウイルス感染症にかかっていた。
娘を預け、病院に向かう。


先生から、説明を受ける。
通常、20万から30万ある血小板が5千しかないので、血液製剤を投与して、回復をさせます。
血液製剤は、未知の病気に対しては危険性があるがこの病気の場合には今までの例から言ってもメリットの方が大きいです。
血液製剤を使用することに対しての念書、というか同意書に署名捺印する。
この特発性血小板減少性紫斑病には、急性と慢性があって子どもの場合ほどんどの場合は急性です。
ただしそれは可能性であるので、経過を見てみないと分かりません。
5本血液製剤を打つので、明日の朝には終わってますから、その後採血して変化をみます。
上がりはじめたら早いですが、すぐに上がるということはないかもしれません。


この状態で一番怖いのは頭を打って脳内出血が起きること。
血が凝固しないので、大変なことになる。
とにかく体をモノになるべく触れないように。
特に頭を打つのはいけません、と看護師さんから念を押される。
といっても、2歳児。
テリブル・ツー(おそるべき2歳児)
第1次反抗期の真っ只中。


息子の咳がひどい。
咳止めを処方されるが、すぐには良くならない。
ベットの上から出てはいけないのと、点滴や心電図の線が体につくのが嫌なようで、終始不機嫌そう。
不安もあるだろう。


おばあちゃんから報告によると娘の咳もひどいみたい。
明日、病院に行くと。


翌火曜日(12月7日)
朝メールがあり、深夜39度6分の熱が出た、と。
仕事に行くが、落ち着かない。
採血したら、6千だったと連絡が入る。
ほんの千しか上がっていなかった。
昼から休みをとって病院へ行く。
熱は下がっていたが、なんとなくいつもの元気がない。
看護師さんが来たときには、少し格好付けるのか、しゃんとするのだが。
奥さんは、もう病名も分かったし、対処方法も分かっているのだから心配しないでいい、と言う。
しかし、僕は風邪もこじらせているし、大丈夫だろうか心配だった。


娘は、RSウイルスの陽性が出たと。
これが原因で2度無呼吸になって入院しているので、心配だが、対処方法を教わったと。
しかし出ないにこしたことはない。


水曜日(12月8日)
朝7時前に仕事に出かけようとしたら電話が鳴る。
朝5時かずっと吐いている。
もう4回も吐いた。
頭が痛い、足が痛いという。
昨日寝ているとき、ちょっと頭を打った。
それが原因なんじゃないか。
CTをとると。


僕はパニックになった。
どうしても昼過ぎまでは仕事に行かなくてはいけなかったので、職場に向かう。
通勤時間が異常に長く感じられる。
悪いことばかり頭をよぎる。
もし万が一のことがあったら、僕は正気でいられる自信がなかった。
何にでもすがりたい気持ちになっていた。
ただこういう時に何かに頼るのは嫌だった。


とにかく自分の息子の生命力だけを信じようと。頑なに。
少し気が緩むと泣きそうだった。


病院に駆けつけたいのを我慢して仕事する。


メールが入る。
CTの結果異常なし。採血したらまた6千。
もう一度血液製剤を投与すると。


メールが入る。
熱が38度9分ある、と。


仕事を終えて電話をすると息子が出た。
せいくん、大丈夫かね?というと
うん、がんばる、と言う。


15時、また病院へ。
息子は起きたばかりで、汗びっしょりになっていた。
咳と高熱は、RSウイルスのせいだと思う。
咳き込みすぎて吐いたみたいだ。


トーマスの列車を一緒に作る。
アンパンマンのおもちゃで遊ぶ。


面会時間ギリギリまで一緒にいる。
出来たら一緒に寝たいが、僕がいると、寝たくならないみたいなので、仕方なく帰る。

娘は少し良くなったという報告が。
少し安心した。


木曜日(12月9日)
朝から昼まで休みをとる。
奥さんも付きっきりで疲れているので、家に帰してあげてお風呂に入れてあげたかったため。
楽しく遊んでいたが2時間近く経つと、ママがいい、と言い出した。


昼前に奥さんと交代し、職場へ。
職場に着いてすぐにメールが届く。
1万。
よっしゃー!!とメールを返す。


ようやく光が見えた。
今年で一番嬉しかった。


まだまだ予断は許されないが、来週には2人とも何とかなるんじゃないだろうか。


今年のクリスマスプレゼントは家族4人で過ごせること。
それだけでいいです、サンタさん。