「生きることについて」お墓参りと躁鬱病とTRAINSPOTTING 何のアフォリズムもありません、あしからず。雑文書き殴りまくりの巻

一昨日、友人(@katsu28)と二人である人のお墓参りに行ってきた。

ある人とは、映画好きな元郵便局員の通称「だーふくさん」
昨年７回忌だったのだが、二人の予定が合わずに、延び延びになって一昨日漸くお墓参りしてきた。
お花とだーふくさんが好きだった缶ビールを買って、墓の場所をだーふくさんのお兄さんに教えてもらい、手を合わせてきた。二人ともアホなので線香を忘れていたが。
僕は、手を合わせ、遅くなってごめんなさい、また来ます、時々思い出すので、怒らないでやってください、と心の中で呟いた。

僕らとだーふくさんは、十数年前に映画を通じて出会い、お酒を飲んだり、映画や下ネタについて話しをしたり、時々喧嘩をしたり(主に@katsu28が担当)、映画の仕事を一緒にしたりして、２００２年の冬に彼の乗っていた車が冷たい海に沈んで彼が亡くなるまで交友した。

だーふくさんは、躁鬱病だった。
僕らが出会ったときには、病気療養中で（といっても、自宅で寝ていたわけではなく、外で一見元気そうにしていたのだけど）郵便局の仕事は休職していて、体調の良い時には、映画の仕事を手伝ったりしていた。
しかし、体調が悪いときは、一日アパートから出てこられず、連絡をしても通じないことが多かった。
だーふくさんがよく言っていた。

「完全に鬱の状態の時は、ええんよ。死ぬ気力もないけーの。いけんのは、鬱からちょっと回復した時よ。この時があぶないんちゃ」

車で海に突っ込んでいた時、この状態だったのかも知れない。
だーふくさんには家族がいたが、その時は一人暮らししていたので、どういう状態だったのか、今となっては知るよしもない。

だーふくさんは、とても女好きだった。
僕らよりも年が一回り以上離れていたが、いつも女の話をしていた。でも、決してモテるとかそういうことはなかったのだが・・・
（あまりココでは多くの事は書けません。察してください）
本当の女好きな人に悪い人はいない。そう思える人だった。

だーふくさんは、とても映画が好きだった。
年に２００本近い映画を観ていたと思う。僕なんかよく@katsu28から「だーふくさんの足下にも及ばない」と言われていた。その通りだった。僕は年に２０本くらい観たら良いくらいだった。
@katsu28がだーふくさんが車に乗るか乗らないかのタイミングで、車を発車した時に、「げったうぇい（the Getaway)かっちゃ、おまえ。無茶するの」とよく言っていた。

エントリーを書いて、だーふくさんのことを思い出しているうちに、なぜか「TRAINSPOTTING」を思い出した。
一緒に観たとかそういうことではないのだけど。
（ところで、TRAINSPOTTINGってこういう意味だったのね→「トレインスポッティング」の意味についての正しい理解）

だーふくさんは、繊細でとても優しい人だった。
体が大きく不器用でうまく表現が出来ない。
自分の心配すればいいのに、人の事ばかり気にかけていた。
「あいつは、どうのこうの、こいつはどうのこうの」と言うことが多かった。
しかしそれは決して悪口ではない。
人のことを言いながら、自分のことを気にしていることが多かったように思う。
いつも悲しい色を目に浮かべていたことを思い出す。
例えは悪いが、捨てられた子犬のような目をしていた。

だーふくさんに限らず、僕の周りには、躁鬱病やその気質の人がたくさんいる。
みんな総じて繊細で優しい。
目に憂いがある。
そういえば、ちびっこマスダはどうしてるんだろうか？
あいつは、ものすごく才能のあるやつだったが、大学の頃から躁鬱病で失ったものが多かった。
僕は、鈍感すぎるので、その人たちと普通に付き合うことしかできない。
だから僕はそういった人たちを無意識のうちに傷つけているかも知れない。
時々、そう考える。

僕の知っている限り、鬱について最も感銘を受けたエントリーはこちら→鬱病による自殺が減りますように。（長文）

あの饐えた臭いのするアパートに入って、褞袍（どてら）姿のだーふくさんに生意気な口を聞いていた僕たちも、あと５年くらいするとだーふくさんが亡くなった年齢になる。

だーふくさん、昨日は二日酔いでしたか？
お酒が強くないあなたなので、缶ビール１本で大丈夫だったでしょ？
では、また。

おやすみなさい
Underworld - Born Slippy

明日は、晴れるよ、たぶん
LOU REED - Perfect Day

追伸：だーふくさん、@katsu28は、煙草を止めるそうです。

これが最後の一服だってさ
http://c.hatena.ne.jp/wataru_m/h/243276859387727241